京都靴景 【smile】

◆【smile】

season:「如月」「弥生」

さて、最後の靴は雪対策の靴です。近年、大雪に見舞われることが多くなりました。
京都は本当に四季の変化が大きい地域だと思います。
とても過ごしやすい春と秋に比べて、夏は非常に蒸し暑く、冬は厳しい冷え込みがあります。
2015年の正月は60センチちかくの雪が積もりました。
京都は雪国ではないですけれど、【京都靴景】の靴として、雪対応の靴が必要だなぁと思いました。
そして生まれたのが「smile」という靴です。
アッパー素材は水に強いオイルドレザー、ベロ部分は羽根と袋状に設計され、雪の侵入を防ぎます。
底付けは「雨と涙」の仕様にもなっている「ストームウエルト」に、
雪の路面でも滑りにくい、雪対応の特別なゴム底になっています。
元々、この「smile」という靴は、
京都から北海道へ仕事の場を移される当工房のお客様に創った雪対策の靴でした。
従ってデザインはお客様のイメージに由来しています。
元々、東京から京都に来られたお客様は人と親しくなるのがとても得意で、
どんなところにもすぐ溶け込みます。
そして東京と京都の人々を繋いできました。
明るい人柄だからでしょうか、お客様の周りではいつも笑顔が絶えません。
東京と京都の人々を繋ぎ、そしてまた北海道への架け橋となる。
そんなデザインモチーフで描きました。
つま先にはスマイルマークを、踵にはトラスをイメージしたハンドステッチを施しています。
この展示会、【京都靴景】における最後のピースとして、この「smile」が必要だと考え、
『京都靴八景』の8足目の靴として仲間入りすることをお客様からご承諾いただきました。
この「smile」があれば、京都の寒い冬も、雪が積もろうとも、
自然と笑顔が絶えない日々になると思います。