◆『鼻緒』

祇園街に適した履物はやはり草履・下駄であると思うところから革製の「鼻緒」を制作することになりました。
Shoe Scapeの靴や革製品で使う革で、発色の美しい革があります。
この革は使う中で味わいを楽しめる特徴があります。
例えば、こすれて色が深まったり、日に焼けることで少し自然に馴染んだ色合いに変化したり、使うごとに革製品の醍醐味である革の風合いを感じることができます。
丁寧に時間をかけて油分を入れ、自然なかたちで仕上げが施されているため、革が持つ経年変化を楽しむことができるというわけです。
この革で鼻緒を制作する際に、足に当たる部分には起毛素材の生地を使用しました。
その理由のひとつとしては、革より生地の方が足当たりが優しいこと。
ふたつ目の理由としては、草履にせよ下駄にせよ和装の履物には足袋を履くことが前提となるからです。
革特有の風合いを楽しむことができる反面、革に含まれた油分が白い足袋を汚してしまう恐れがあります。
足袋に当たる面には足当たりの良い起毛生地を使い、顔となる表面には経年変化を楽しめるイタリアンレザーを使って鼻緒を制作しました。
鼻緒の構造としても、鼻緒の背骨ともいえる心材に対してクッション性を高める造りにしているため、より足にやさしい鼻緒になっています。
種類は華奢な女物から安定感のある男物まで、中でもメッシュの鼻緒は足元を華やかに彩ります。
どの鼻緒も、当工房で用意している革と生地の中からお好みの色を組み合わせて制作致します。

※ 鼻緒は草履・下駄とともに、祇園の履物屋「ヽや(ちょぼや)」にてお求めください。

◆『爪革』

和装の際、雨の日には何を履きますか?
日和下駄、または関西では利休下駄と呼ばれる雨用の下駄がありました。
いまでは、つま先に雨用のビニールカバーがついた草履が使われていることが多いですが、
そもそもは雨天には歩行により跳ね上がりの少ない二本歯の下駄が使われていたそうです。
日和下駄は、元々はぬかるみを歩く晴天用の下駄であるため、歯が薄く設計されています。
関西では千利休が考案したと言われ、茶人が好んで履いたことから利休下駄と呼ばれるようになったそうです。
そんな利休下駄のつま先には雨をよけるカバーが着けられていました。
これを「爪革(つまかわ)」といいます。
利休下駄に限らず、雨の日にはこの爪革を着けた二本歯の下駄を履いて出かけたそうです。
しかし、いまでは爪革を作ることができる職人がいなくなり、祇園の履物屋「ヽや(ちょぼや)」でも取り扱いができなくなっていました。
そこでShoe Scapeで「爪革」を制作し、復活させることになりました。
従来の爪革はエナメルを使うことが多いです。
しかし、エナメルは経年劣化し、長く使うと割れることがあるため、当工房では「防水加工された革」を使うことにしました。
この防水加工された革は一見、普通の革に見えますが、特殊な防水加工を施されているため、水をしっかりとはじいてくれます。
縫製の方法・仕様もできるだけ雨の侵入を防ぐように工夫することで、革の持つ柔らかい風合いと高い防水性を兼ねた爪革が出来上がりました。
昔はこの爪革に絵付けを施して、粋に履いたそうです。
Shoe Scapeでは「無地」の茶色をベースに、「ススキ」「柳」「とんぼ」の三種類の絵柄をご用意致しました。
こちらの絵柄自体も水をはじきますので、雨の日にも絵柄が落ちるのを心配することなく、安心してお使いいただけます。

男物「無地」:¥ 7,500(税抜き) 女物「無地」:¥ 6,500(税抜き)
「ススキ」「柳」「とんぼ」の絵付け:+ ¥3,000(税抜き)
※ 男物:下駄横幅10㎝に対応 女物:下駄横幅8㎝に対応